
本センターは、脳科学と技術の統合によって生み出される可能性に挑戦し、それを通して未来社会のためのイノベーションを創出することを目指して、理化学研究所とトヨタ自動車が包括的な連携に合意して生まれた研究組織である。
両者はまったく異なる目的と沿革、文化伝統をもつ対照的な組織であり、それぞれまったく異なる形で日本の社会に貢献してきた。この二つの組織が共通の目的のために連携し、それぞれの組織の強みを発揮しつつ力強い協力関係を打ち立て、それを通して新しい研究開発のスタイルを生み出すことができれば、我が国の科学技術にとっても大変意味のあることである。
連携ユニットは和光キャンパスと名古屋キャンパスの二つの地区におかれている。各研究ユニットは、専任の研究員と理研脳研およびトヨタから出向の研究員からなり、両者の緊密な協力関係が保持されるような仕組みとなっている。
本センターは設置から10年以上、上記の目的に向けて常に新たなテーマを設定し自己変革を行いつつ進歩を続けてきた。現在の第4期では、人々の “well-being” に焦点をあて、脳科学やモビリティの観点から、その科学的理解と向上方法提案を目指している。Physical:身体, Mental:精神, Social:社会という三つの異なった切り口から研究を進め、それらの相互作用と融合により、未来社会における人々のwell-beingに向けた、新たな科学的枠組みの構築、見える化手法の開発、向上方法探求など、未踏の領域に挑戦していきたい。
理研CBS-トヨタ連携センター (BTCC)
連携センター長
國吉 康夫
連携センター長
國吉 康夫