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計算論的集団力学連携ユニット豊川航ユニットリーダーらの国際共同研究チームによる論文" Humans flexibly integrate social information despite interindividual differences in reward"が、Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)オンライン版に掲載されました
2024.09.26
理化学研究所 脳神経科学センター 計算論的集団力学連携ユニットの豊川 航ユニットリーダー、チュービンゲン大学のアレクサンドラ・ヴィット 研究員らの国際共同研究グループは、人間がいかにして異なる価値観や目的を持つ他者から学ぶことができるのかを、数理解析と行動実験から明らかにしました。
本研究成果は、価値観や目的の異なる主体で構成される複雑な社会の中で、いかにして社会的に学び合い集合知(collective intelligence)を生み出すかという、社会科学における喫緊の課題の解決に貢献することが期待されます。
国際共同研究グループは、「社会的一般化(SG)学習」という、他者から得た情報と自分で獲得した情報を統合しながら試行錯誤学習する数理モデルを考案しました。この数理モデルを解析した結果、価値観の多様な集団において、模倣に基づく従来のシンプルな観察学習よりもSG学習は進化的に有利であり、かつ人々が実際に取る行動への説明力も高いことが示されました。モデルを通じた実験データ解析からは、人々が他者から得た情報を「話半分に」参考にしつつ、自分自身の学習における情報探索へうまく役立てていることが分かりました。
本研究は、科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)』オンライン版(9月20日付)に掲載されました。
引用元: 理化学研究所 / 研究成果(プレスリリース) / 2024年9月26日 /複雑な社会でさまざまな他者から学ぶ-価値観や目的が多様な集団で人間が他者を模倣する数理モデル-
https://www.riken.jp/press/2024/20240926_1/index.html
DOI:https://doi.org/10.1073/pnas.240492812