理研CBS-トヨタ連携センター

BTCCセンター長からのメッセージ

國吉 康夫

本センターは、脳科学と技術の統合によって生み出される可能性に挑戦し、それを通して未来社会のためのイノベーションを創出することを目指して、理化学研究所とトヨタ自動車が包括的な連携に合意して生まれた研究組織である。

両者はまったく異なる目的と沿革、文化伝統をもつ対照的な組織であり、それぞれまったく異なる形で日本の社会に貢献してきた。この二つの組織が共通の目的のために連携し、それぞれの組織の強みを発揮しつつ力強い協力関係を打ち立て、それを通して新しい研究開発のスタイルを生み出すことができれば、我が国の科学技術にとっても大変意味のあることである。

連携ユニットは和光キャンパスにて研究活動を行っており、各研究ユニットは、理研CBSの研究員、トヨタ自動車及び関連会社から出向の研究員等からなり、両者の緊密な協力関係が保持されるような仕組みとなっている。第5期では新たに2つの研究ユニットの立ち上げ、各研究ユニット間の連携を強化していく。

本センターは設置から15年以上に渡り、上記の目的に向けて常に新たなテーマを設定し自己変革を行いつつ進歩を続けてきた。現在の第5期では、第4期のWell-beingに関する研究を発展させ、「個人と集団のWell-beingダイナミクス」をテーマに掲げている。“Well-beingダイナミクス”とは、Well-beingが相互に影響し、時間とともに状態が変化する性質のことを表現しており、我々はそのメカニズムを脳・神経科学を軸に明らかにすることで、個人のWell-beingと集団のWell-beingが相乗的に発展する仕組みとその設計論の構築を目指していきたい。

理研CBS-トヨタ連携センター (BTCC)
連携センター長
國吉 康夫